突然ですがお尋ねします・・・

今、あなたのお口の中で上下の歯は接触していますか?
それとも上下の歯の間には隙間がありますか?
何のこと?と思われるかもしませんが、これ結構重要なんです。
なぜならもし、今あなたが何気なく上下の歯を接触させているのであれば
これは歯列接触癖(Tooth Contact Habit/TCH)と言われる無意識で行う癖が
日頃からあるということです。
この歯列接触癖という癖があると何が問題なのか、歯の食いしばりや噛み締めと
何が違うのかなどお伝えしていきます。
結論からお伝えすると、この歯を接触させる癖、今すぐやめて下さい!
何故ならばこの癖があると歯が折れる欠ける、詰め物が外れる、歯周病が悪化する、
歯がしみる、顎関節症、頭痛や肩こりなどの大きな問題が
出てくる可能性があるということです。1つずつお伝えします。
そもそも歯列接触癖とは何なのか?
通常人間のお口というのは唇は閉じた状態でも
中の上下の歯の間には1〜3㎜ほどの隙間があると言われています。
この隙間がない、つまり上下の歯を接触させている状態のことを「歯列接触癖」と言います。

別に歯を当てているだけで、強く噛んでなんていないよ!
と思われた方、残念ながらそれでもダメなんです!
ここで大事なのは力の強さではなく、接触しているかどうかなのです。
なぜならば、通常1日の中で歯を接触させていい時間はたったの20分だからです。

基本的に上下の歯を接触させる時というのは食事中の食べ物を噛み切った最後の瞬間と、
物を飲み込む瞬間、あとは会話中のみとされています。
この瞬間を積み重ねると、1日の中で歯を接触させるのが20分以内ということになるのです。
そして以下に「歯列接触癖」と「食いしばりや噛み締め」の違いを挙げていきます。
歯列接触癖 | 噛み締め、食いしばり | |
咬む力 | 弱い (接触させているだけ) | 強い |
自覚 | ないことが多い | ないことも多い |
音が出るか | 出ない | 出ない |
継続時間 | 長いことが多い | 比較的短い |
上の表を見ると非常に似てはいるものの違うものと分かってもらえるかと思います。
噛み締めや食いしばりとは違い、かかる力は弱いものの継続する時間が長いと言うのが
歯列接触癖の特徴と言えると思います。
歯列接触癖により起こる問題
- 歯が折れる、欠ける
- 詰め物が外れる
- 歯周病が悪化する
- 歯がしみる
- 顎関節症
- 頭痛、肩こり

1、歯が折れる、欠ける
接触させる力は弱いものの継続的に力がかかることで
歯が折れる(特に神経を抜いた歯は脆いため)
歯が欠けるなどの問題が起きやすくなります。
2、詰め物が外れる
これも意外にあるのですが比較的詰め物がよく外れると言う問題です。
「接着剤が悪いの?」「先生の腕が悪いの?」と疑われる前に
一度この歯列接触癖がないか注意してみて下さい。

3、歯周病が悪化する
こちらも比較的よく見られます。
と言うのも、歯を持続的に接触させるということは
その間常に歯ぐきにも負荷をかけているということになります。
この歯列接触癖が歯周病の原因というよりかは、
歯周病を悪化させる要因になっていると言えます。

4、歯がしみる
患者さんの中でもこの「歯がしみる」本当に多いです・・・。泣
継続的に歯を接触させることで負荷がかかりすぎた結果歯がしみやすくなります。
「歯医者で虫歯じゃないと言われたのにやっぱり歯がしみる・・・」という方は
もしかするとこれが原因かもしれません。
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5、顎関節症
顎関節症の原因の一つとも言われています。
これも継続的に弱い力がかかり続けることで顎関節にも同じように負荷がかかりすぎて
「顎が痛い」「口を大きく開けにくい」という症状が出ることが有ります。

6、頭痛、肩こり
歯以外にも起こる問題がこれです。顎の関節は肩や首の筋肉と連動しているため
頭痛や肩こりが起こることがあります。
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歯列接触癖の怖いところとは・・・
- 噛み締め、食いしばりと違い長時間続けることが可能である
- 自分で気付かなければずっと気付けないかもしれない
というところです。
「食いしばり」や「噛み締め」は強い力をかけるが故に自分でハッと気付いたり
強い力を長時間かけ続けることが難しいです。
ただ歯を接触させるくらいの弱い力であれば負担を感じにくくその結果長時間に及ぶことがあります。
また、これはお口の中で音もなく行う行為なので他人が気付くことはできません。
つまり自分で気付く以外に治すことができないと言えます。
いかがでしょうか?心当たりのある方は今日から
「歯を接触させないように!」と思い出して取り組んでみて下さいね!
以上参考になれば嬉しいです^^

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